目次
はじめに
高齢化や転勤、相続などの理由から誰も住んでいないマンションの空き家が増えています。
しかし、マンションといえども空き家状態を放置していいわけではありません。特に、マンションは管理規約や管理費・修繕積立金などの費用が発生するため、戸建てとは違った配慮が必要となります。
本記事では、空き家になったマンションを管理するポイントと空き家管理サービスの選び方を解説します。資産を守るためにも自分に合った管理方法を見つけましょう。
第1章 マンションが空き家になった場合は管理が必要
マンションが空き家になっても、所有者として行うべき管理業務はなくなりません。
以下の項目は、最低限必要とされる管理です。
| 管理項目 | 目的 |
|---|---|
| 郵便物やチラシの回収 | 不審者の侵入・火災リスク低減 |
| 室内設備や給排水の点検 | 故障・漏水の早期発見 |
| ベランダの清掃 | 鳥害・ゴミ放置対策 |
| 定期的な目視確認 | 経年劣化や外部被害の確認 |
管理を怠ると、空き家であることが外部に分かり、空き巣などの犯罪に巻き込まれるケースもあり、マンション全体に迷惑をかけてしまう可能性もあります。定期的な管理を行うことが、資産価値を維持し、近隣とのトラブルを防ぐ方法となるでしょう。
1-1 マンションが空き家になるケース
マンションが空き家になるケースは、以下の理由が挙げられます。
- 相続によって取得したが誰も住まない
- 転勤や長期出張で一時的に不在
- 高齢者の施設入居によって住まなくなった
- 離婚・別居による空室化
- 投資目的で購入したが賃貸に出せていない
他にも、子どもが独立し使わなくなった物件、買い替えによって残った物件など、さまざまな要因が空き家化の背景にあります。空き家は突然発生することもあり、その後の対応が遅れるとトラブルにつながりやすくなるため、ケースに応じた早めの対策が大切です。
1-2 空き家状態を放置するリスク
空き家を放置すると、以下のリスクが発生する恐れがあります。
- カビ・害虫の発生や建材の腐敗などの物理的劣化
- 不法侵入・放火・盗難など防犯リスクの増加
- 管理組合や近隣住民とのトラブル発生
- 資産価値の下落と売却時の不利
- 管理組合からの指導や勧告
マンションは、建物全体が空室で老朽化が進んでいない限りは空き家対策特別措置法の対象外となりますが、管理不全により周辺に悪影響を及ぼしかねません。
管理不全は資産価値を失うだけではなく、トラブルの元凶になるため注意しましょう。
第2章 分譲マンションの空き家管理で注意するべきポイント
分譲マンションの空き家管理は、戸建てと異なる特有のルールや制約に注意が必要です。
管理規約で制限されていることも多く、勝手な改修や用途変更はトラブルの元になりかねません。所有者である以上、責任を持ってマンション管理と向き合いましょう。
では、分譲マンションの空き家管理で注意するべきポイントを解説します。
2-1 管理費・修繕積立金は所有者に継続義務がある
住んでいないからといって、管理費や修繕積立金の支払いを免除されるわけではありません。管理費や修繕積立金はマンション全体の維持管理に必要な費用なため、所有者には支払い義務があります。
未納によって管理組合の財政に影響が出ると、修繕工事の遅延や住民サービスの低下に直結するため、居住の有無にかかわらず、支払いは全所有者の義務と認識しましょう。
2-2 管理組合・管理会社と定期的に連絡を取る
空き家状態であっても、管理組合や管理会社とのコミュニケーションは欠かせません。空き家状態であることを事前に伝え、定期的に連絡を行いましょう。
また、トラブル発生時も迅速に対応できるように、連絡先の最新化や担当者を把握することが大切です。修繕工事の予定やルール変更などの重要な通知を見逃さないように、郵送物の転送やメール通知の設定を行うとよいでしょう。
2-3 勝手なサービス導入が禁止されている場合がある
管理規約によって、第三者による鍵の預かりや室内清掃など外部サービスの導入が制限されている場合があります。空き家管理サービスを利用する際は、事前に管理組合に確認を取り、許可を得るようにしましょう。
特に、共用部を通っての作業がある場合は、事前申請や管理人への連絡が必要になることも珍しくありません。無断で外部業者を出入りさせると、他の住民とのトラブルや、規約違反による警告を受ける恐れがあるため注意が必要です。
第3章 マンションの管理は空き家管理サービスが便利
遠方に住んでいたり、忙しくて頻繁に現地に行けない場合には、空き家管理サービスの利用が有効です。空き家管理サービスとは、物件の所有者に代わって、定期的な点検や清掃、報告などを行ってくれる専門サービスのことです。
マンションの場合は、管理規約や共用部のルールに注意しながらも、柔軟に対応してくれる専門業者を選びましょう。
では、空き家管理サービスの内容と料金相場を解説します。
3-1 空き家管理サービスができること
一般的な空き家管理サービスの内容は以下の通りです。
- 室内の換気・通水
- 室内外の清掃
- 郵便物の整理・回収
- 室内設備の簡易点検
- 写真付きの報告書提出
- ベランダや共有部の異常確認
追加オプションで害虫駆除や除草、緊急対応や簡易補修などを行ってくれる業者もあります。マンション特有のニーズに対応した内容を選んで、より効果的に管理をしましょう。
また、報告書が写真付きで詳細に記載されている業者だとより安心です。
3-2 空き家管理サービスの料金相場
空き家管理サービスの料金相場は、およそ月額5,000円〜15,000円程度が一般的です。
| 月1回の点検 | 5,000円前後 |
|---|---|
| 月2回以上の点検 | 8,000〜15,000円 |
| オプション追加 | 別途料金(1,000円〜) |
内容や訪問頻度によって価格が変動し、報告書の有無や緊急対応の可否、カスタマーサポートの対応時間などによってパフォーマンスに差が出ます。
複数社から見積もりを取り、自分にとって最適なプランを選びましょう。
第4章 空き家管理サービスを選ぶ5つのチェックポイント
空き家管理サービスは料金の安さだけで選ぶと、後々トラブルや対応の不備につながることも珍しくありません。内容や対応エリア、管理体制などに差があるため、選定時には自分のニーズに合った業者を見極めることが重要です。
では、空き家管理サービスを選ぶ5つのチェックポイントを解説します。
4-1 管理対象の物件タイプに対応しているか
空き家管理サービスの中には、マンションに対応していない業者も存在します。必ず、管理対象に「分譲マンション」が含まれているか確認しましょう。
業者によってはマンションの管理規約を精査したうえで、問題のない範囲で対応してくれるところもあるため、対応力も比較材料になります。
4-2 現地確認の頻度と内容
点検の頻度が少なければ、トラブルの早期発見が難しくなります。
月1回よりも月2回、あるいは週1回など、より細かく対応してくれる業者を選ぶと安心です。また、点検時にどのような作業を行うかを確認しましょう。
また、点検結果をどのように報告してくれるかも重要な判断基準になります。見えないところで手を抜かれないよう、報告内容の質も確認しましょう。
4-3 鍵の管理方法と安全性
空き家管理サービスを利用する場合、業者に鍵を預けることになります。そのため、鍵の保管方法やセキュリティ体制がしっかりしているか確認することが大切です。
信頼できる業者は、鍵を施錠付きの保管庫に保管したり、GPS付きで管理するなど、安全性に配慮しています。鍵の管理がずさんだと、空き巣被害などのリスクが高まるため、鍵の受け渡し方法、紛失時の対応なども事前に確認しておきましょう。
4-4 緊急対応の可否
水漏れや窓ガラスの破損、台風など空き家には思わぬトラブルがつきものです。万が一の緊急事態に対応できる体制であるかは重要です。ただし。24時間365日体制で対応可能な業者であれば、万が一の際もより安心できるでしょう。
また、緊急時にオーナーにどのように連絡が来るのか、どの範囲まで業者が対応してくれるのかも事前に確認しておく必要があります。初期対応だけではなく、修理手配まで対応してくれるかも見極めましょう。
4-5 利用者の口コミ・評判
実際に空き家管理サービスを利用した方の口コミやレビューは参考になります。
公式サイトに掲載されているものだけではなく、SNSや比較サイトなど、複数の媒体を参考にするとよいでしょう。報告の丁寧さや対応の速さ、スタッフの対応品質などに注目して選ぶとおすすめです。
信頼性の高い口コミ情報を元に、安心して任せられる業者を選びましょう。
第5章 空き家になったマンションの活用方法
マンションが空き家になった場合、活用する選択肢もあります。ただし、住宅ローンが残っている場合には、金融機関との契約内容によって制約が生じることもあるため、事前確認は必須です。また、マンションの管理規約も活用に影響するため、計画的に進めましょう。
では、空き家になったマンションの活用方法を紹介します。
5-1 セカンドハウスとして使う
都市部やリゾート地にあるマンションであれば、別荘やセカンドハウスとして活用できる可能性があります。将来的にリタイア後の移住先としても利用できるため、中長期的な視点で活用を考える方にも向いているでしょう。
家具や家電を残しておくことで、すぐに生活を始められる点も魅力です。
5-2 賃貸に出す
空き家を賃貸に出せば、管理費や修繕積立金、ローン返済の補填になります。
賃貸に出す前に、室内の状態確認や必要な修繕、設備点検などを行いましょう。また、賃貸契約には不動産会社を通じた仲介が一般的です。ローンが残っている場合は、賃貸への転用が金融機関の承認事項となるケースもあるため、必ず事前に確認しましょう。
5-3 売却する
将来的に住む予定がない場合は、売却も有効な選択肢です。
空き家のまま維持費をかけるよりも、資産を現金化した方がメリットが大きいことも珍しくありません。複数の不動産会社に査定を依頼し、比較して選びましょう。
5-4 トランクルーム・レンタルスペースにする
空室をそのままにしておくのではなく、トランクルームやレンタルスペースとして活用する方法もあります。物置スペースに困っている近隣住民向けに貸し出すことで、安定した収益を得ることができるでしょう。
ただし、消防法や建築基準法に適合しているか確認が必要で、マンションの管理規約でも事前確認が不可欠です。また、初期費用として棚や鍵の設置などが必要になるため注意しましょう。
5-5 地域活動の拠点にする
空き家を地域活動の場にする社会貢献的な活用方法もあります。
例えば、町内会の集まりや子ども食堂、フリースペースや高齢者の居場所づくりなどに活用できます。管理規約による使用用途の制限に注意が必要ですが、空き家問題の解決に向けた先進的な取り組みになるでしょう。
5-6 法人向けのオフィスにする
テレワークやリモートワークの浸透により、マンションを法人向けのサテライトオフィスや小規模事務所として活用するニーズが高まっています。
事務所用途にする際は、内装やネット環境の整備、法人登記の可否なども決めましょう。静かな環境や駅近立地であれば、競争力のある貸し出しが可能になります。
5-7 民泊にする
マンションを民泊として運用することも考えられますが、注意が必要な活用方法です。
2018年に施行された「住宅宿泊事業法(民泊新法)」では、年間営業日数の上限や届出制限が定められています。さらに、マンションの管理規約で民泊を禁止しているケースも非常に多く、近隣住民とのトラブルが発生するリスクもあります。
よって、民泊運用を検討する場合は、法令や管理規約の両方を確認しなければなりません。結論、あまり現実的な活用方法といえないでしょう。
まとめ:空き家マンションは放置せず計画的に管理しよう
マンションが空き家になったからといって、放置することは大きなリスクとなります。
遠方に住んでいても、空き家管理サービスを活用すれば最低限の管理はプロに任せられますが、使い道がないまま管理を続けるよりは、思い切って手放す方法も検討しましょう。
まずは現状を正確に把握し、信頼できる専門家と相談しながら、管理と活用のバランスをとった選択をすることが空き家問題を解決する第一歩です。
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