相続した空き家を片付ける4つの方法|ポイントやよくある質問を紹介

相続した空き家を片付ける4つの方法|ポイントやよくある質問を紹介
執筆者: 中西孝志

はじめに

相続した家には家具や家電、日用品など多くの荷物が残っていることが多く、処分に手間と費用がかかるため、つい後回しにしてしまう方も多いでしょう。しかし、空き家の売却や活用を考えているなら、片付けは避けて通れません。

本記事では、相続した空き家を片付けるべき理由や具体的な方法、進める際の注意点について詳しく解説します。相続した空き家の管理にお悩みの方や、片付けに踏み出せずに困っている方はぜひ最後までご覧ください。

第1章 相続した空き家を売却する際に片付けをしておくべき理由

相続した空き家を売却する際に片付けをしておくべき理由は以下の通りです。

  • 内覧時の印象が良くなり売却しやすいため
  • 相続財産を見落とさずに済むため
  • 空き家の売却に必要な重要書類を発見できる可能性があるため

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1-1 内覧時の印象が良くなり売却しやすいため

不動産の売り出し時には、購入希望者が内覧に訪れます。室内に大量の家具や日用品が残ったままだと、どうしても生活感が強く、古びた印象を与えてしまいます。その結果、部屋が実際より狭く見える場合や、建物の状態が悪いと誤解されたりする場合があります。

一方で、不要な荷物を片付けて空間をすっきりさせれば、日当たりや間取りの良さといった家本来の魅力が伝わりやすくなるでしょう。購入希望者が新生活を具体的にイメージできるようになり、スピーディーかつ希望通りの価格での売却を実現しやすくなります。

1-2 相続財産を見落とさずに済むため

相続した空き家の中には、生活用品だけでなく、貴金属や現金、通帳、株式関係の書類、保険証券など、価値のある財産が残されている場合があります。家族でも把握していなかった品が、思わぬ場所から出てくるかもしれません。

片付けを丁寧に進めれば、こうした財産を見つけ出すことが可能です。逆に、十分に確認せずに業者に処分を依頼してしまうと、相続財産を見落として廃棄してしまったりする可能性があります。

1-3 空き家の売却に必要な重要書類を発見できる可能性があるため

不動産の売却には、不動産の権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書、住宅ローンの完済証明など、複数の重要書類が必要です。これらの書類が見つからないと、売却手続きに手間がかかり、名義確認や相続登記に時間がかかります。

場合によっては、不動産会社や司法書士に追加の調査や手続きを依頼しなければならず、売却が大幅に遅れてしまう恐れもあるでしょう。そのため、空き家を片付けながら重要書類を早めに見つけておくことが、スムーズに売却手続きを終えるためには欠かせません。

第2章 相続した空き家を片付ける4つの方法

相続した空き家を売却・活用するためには片付けが欠かせません。しかし、荷物の量や相続人の状況によって最適な方法は異なります。ここでは代表的な4つの片付け方法を紹介します。

2-1 自分を含めた相続人で片付けをする

費用をできるだけ抑えたい場合は、相続人同士で協力して片付けを行いましょう。自分達で作業を進めれば業者への依頼費用が不要になり、比較的低コストで済ませられます。

また、遺品を一つずつ確認しながら整理することも可能です。アルバムや手紙など思い出の品を大切に残すことができ、貴重品や重要書類も確実に見つけやすくなります。さらに、相続人全員で作業を行えば「何を残し、何を処分するか」という判断を共有できるため、後々のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。

一方で、荷物の量が多い場合は時間的・体力的な負担が大きくなります。特に大型家具や家電の処分には労力が必要となるため、難しい場合は一部の作業だけ業者に依頼するなど、柔軟な対応を検討しましょう。

なお、相続放棄を検討している人は注意が必要です。 遺品整理や家財の処分といった積極的な片付けを行うと、単純承認とみなされて相続放棄が認められなくなるリスクがあります。清掃や最低限の修繕などの保存行為や、価値のない物の整理であれば問題にならない場合もありますが、相続放棄を考えているなら自己判断で片付けをしないようにしましょう。

2-2 遺品整理業者を利用する

遺品整理業者とは、亡くなった方の生活用品・家財を整理・処分する専門の業者です。仕分けから搬出、廃棄物の処理まで一括で対応してくれるため、相続した空き家の片付けを短期間で効率的に進められます。

また、遺品整理業者に依頼すれば、専門知識と経験を持つスタッフに作業を任せられます。貴重品や重要書類を見落とさないように確認してくれるほか、希望があれば仏壇や写真の供養といった対応をしてもらえます。相続人が遠方に住んでいる場合や日程を合わせにくい場合でも、安心して任せられるのは大きな利点です。

一方で、依頼には費用がかかります。料金は間取りや荷物の量によって変動し、数十万円規模になることも少なくありません。そのため、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や対応範囲を比較したうえで選ぶことが重要です。

2-3 不動産会社や回収業者に依頼する

不動産会社の中には、売却を前提に残置物の撤去や簡易清掃をサポートしてくれるところがあり、片付けと売却活動を同時並行で進められるのが大きな特徴です。片付けの負担を軽減しながら市場に出せる状態まで整えられるため、売却を視野に入れている場合には特に有効と言えるでしょう。

また、不用品回収業者を利用する場合は、大型家具や家電の処分をまとめて任せられるのがメリットです。分別や搬出を一括で対応してもらえるため、相続人自身の作業負担を抑えられます。

ただし、依頼先によって対応範囲や料金体系には大きな差があります。そのため、複数社から見積もりを取り、サービス内容・料金・対応範囲を比較検討することが重要です。

2-4 解体業者に処分してもらう

建物を解体して土地だけを売却する予定であれば、解体業者に依頼して家財を含めて一括処分する方法もあります。残置物を片付けずに建物ごと撤去できるため、相続人自身が仕分けや搬出に手をかける必要がなく、短期間で更地の状態にできるのがメリットです。

また、更地にして売却することで、古い家が残っている場合に比べて購入希望者が見つかりやすくなるケースもあります。特に築年数が古く、リフォームや修繕の負担が大きい物件では、解体を先に進めてしまった方が結果的に売却がスムーズに進む可能性があります。

ただし、解体には数百万円単位の費用がかかることもあり、負担は小さくありません。さらに、解体後の土地利用によっては固定資産税が上がるケースもあるため、費用対効果を検討する必要があります。解体を検討する場合は、不動産会社に「更地で売却するのと、そのまま売却するのとでどちらが有利か」を確認したうえで判断するのが安心です。

第3章 相続した空き家を片付ける際のポイント

相続した空き家を片付ける際、いくつかのポイントを抑えておかないとトラブルに発展する恐れがあります。ここでは、相続した空き家を片付ける際のポイントを見ていきましょう。

3-1 スケジュールには余裕を持っておく

空き家の片付けは想像以上に時間がかかる作業です。長年住んでいた家には家具や家電だけでなく、日用品や思い出の品が大量に残されていることが多く、処分や仕分けに数日から数週間を要するケースも珍しくありません。

特に、一人で作業を進める場合や遠方から通う必要がある場合は、何度も往復する手間が発生します。移動に時間や費用がかかるだけでなく、作業効率も落ちやすいため、余裕を持ったスケジュールを組むことが不可欠です。また、処分品の回収日や粗大ゴミの予約など、自治体ごとのルールも事前に確認しておけば、効率的に片付けを進められるでしょう。

3-2 相続人が他にもいる場合は処分時の判断に注意する

空き家の片付けを進める中で、家具や家電、衣類といった家財道具をどう処分するかは相続人の間で意見が分かれやすいポイントです。思い出の品や価値があるかもしれない品物を一方的に処分してしまうと、「勝手に捨てられた」と不満が残り、相続人同士の関係が悪化する恐れがあります。

特に、写真や手紙、記念品のように感情が伴う品物は判断が難しく、相続人ごとに捉え方が異なります。そのため、処分の判断はできる限り相続人全員で共有することが大切です。立ち会えない相続人がいる場合には、写真を撮って送る、オンラインで相談するなど工夫をすると良いでしょう。

3-3 あらぬ疑いを招かぬように相続人全員が参加が望ましい

空き家の片付けを一部の相続人だけで進めてしまうと、参加していない相続人に「財産を勝手に処分されたのではないか」「価値のあるものを独り占めされたのではないか」といった疑念を抱かせてしまうケースがあります。特に現金や貴金属、通帳などの財産が見つかった場合、その扱いをめぐって深刻なトラブルに発展することも珍しくありません。

こうした事態を防ぐには、できる限り相続人全員が片付けに立ち会うことが理想的です。全員で作業を共有すれば、処分や保管の判断に納得感が生まれ、「誰かが勝手に決めた」という不満を残さずに済みます。どうしても立ち会えない相続人がいる場合は、写真や動画を活用して状況を報告し、透明性の確保に努めましょう。

3-4 数十万円の費用がかかる場合もある

相続した空き家を自分達だけで片付けるのが難しい場合、遺品整理業者や不用品回収業者に依頼することになります。その際に発生する費用は、部屋の広さや荷物の量によって変わりますが、数十万円単位になることが一般的です。

例えば、ワンルームであれば10万円前後で済む場合もありますが、一軒家を丸ごと片付けるとなると50万円以上かかるケースもあります。さらに、ピアノや大型家電などの処分が含まれると、追加費用が発生することも珍しくありません。

こうした費用は相続人全員で負担するのが基本ですが、負担割合をめぐって意見が食い違うこともあります。トラブルを防止するためには、事前に複数社から見積もりを取り、作業内容と費用を相続人全員で共有しておくことが大切です。

第4章 空き家の扱いに困ったら不動産会社に相談しよう

相続した空き家を片付ける方法は複数ありますが、荷物の量や費用、相続人の状況によっては思うように作業が進まないこともあります。特に、売却を前提とした片付けや解体を検討している場合、専門的な判断が欠かせません。

そのような時は、不動産会社に相談するのが有効な選択肢です。不動産会社であれば、片付けや解体を含めた売却プランを提案してくれるだけではなく、提携業者を紹介してもらえることも多いため、安心して作業を進められます。相続人だけで悩むよりも、専門家の意見を取り入れることで効率的に解決へと近づけるでしょう。

住まいの賢者では、司法書士法人グループに参加する不動産会社として、相続登記から不動産売却、片付けや解体の相談までワンストップで対応可能です。無料相談に対応しておりますので、空き家の片付けでお困りの方はぜひご相談ください。

まとめ:状況や予算に合わせて空き家の片付け方法を選択しよう

相続した空き家を放置すると、管理不全や売却の遅れにつながり、相続人同士のトラブルを招く恐れもあります。だからこそ、売却や活用を考えるなら、まずは片付けを進めることが欠かせません。

片付けを行うことで、内覧時の印象が良くなり売却がスムーズになるだけでなく、財産や重要書類を発見できる可能性も高まります。相続人が自分たちで作業する、遺品整理業者に依頼する、不動産会社や回収業者に任せる、解体業者に処分を依頼するといった選択肢から、状況や予算に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。

もし片付けの方法に迷う場合は、不動産会社への相談がおすすめです。売却を見据えた効率的な片付けの進め方や、信頼できる業者の紹介を受けられるため、自分達だけで悩むよりもスムーズに作業を進められます。

住まいの賢者では、片付け方法の提案はもちろん、相続登記や売却までトータルでサポートいたします。空き家の扱いに不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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空き家の片付けに関してよくある質問

ここでは、空き家の片付けに関してよくある質問に回答しています。

相続放棄を検討している場合でも、空き家の片付けは進めておくべきですか?

相続放棄を考えている人が遺品整理や家財の処分を行うと、単純承認とみなされ、相続放棄ができなくなるリスクがあります。そのため、相続放棄を前提とする場合には、自己判断で片付けをしてはいけません。

ただし、掃除や最低限の修繕といった家の価値を維持するための保存行為や、経済的な価値のないゴミや手紙などの整理であれば問題にならないこともあります。とはいえ、自分で判断してしまうと相続放棄ができなくなる恐れがあるため、弁護士・司法書士などの専門家に相談しましょう。

片付けが終わったら、空き家を管理する必要はありませんか?

片付けを終えた後も、空き家には管理責任が残ります。換気や清掃、庭木の手入れ、郵便物の確認などを怠ると、建物の劣化や害虫被害、近隣トラブルの原因になりかねません。損害賠償に発展するリスクもあるため、空き家の管理を続けるのが難しい場合は、管理サービスの利用や、早めの売却を検討するのが現実的です。

この記事の執筆者

中西 孝志(なかにし たかし)

中西 孝志(なかにし たかし)

株式会社あんしんリーガル 宅地建物取引士/FP2級技能士/損害保険募集人

約20年の実務経験を活かし、お客様の潜在ニーズを汲み取り、常に一方先のご提案をする。お客様の貴重お時間をいただいているという気持ちを忘れず、常に感謝の気持ちを持つことをモットーとしている。

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