目次
はじめに
事故物件を売却したいと考えていても「事故物件なんて誰も購入したがらないし、売れないのでは」と思っている方は珍しくありません。
実際に自殺や他殺、孤独死などがあった物件は心理的な抵抗があるため、購入希望者が敬遠しやすい点は事実です。しかし、正しい知識と工夫をもって対応すれば、事故物件でも売却できるでしょう。
本記事では、事故物件を売却するためのポイントとなるべく高く売る方法を解説します。売却を考えている方は、参考にしてください。
第1章 事故物件は本当に売れないのか?
「事故物件=売れない」イメージが強いと思いますが、工夫次第で十分に売却可能です。
一般的な物件と比べると売却に時間がかかったり、価格が下がったりする傾向がありますが、事故物件特有のリスクと買い手の心理から適切な戦略を立てることで、売れた事例も多く存在します。
事故物件だからと諦めず、売り方を工夫して売却を成功させましょう。
1-1 事故物件の定義とは
事故物件は、法律で明確に定義されているわけではありませんが、買い手に心理的な不安を与える可能性のある物件を総称して「事故物件」と呼ばれます。
具体的に、過去に自殺、他殺、孤独死、火災による死亡事故などが発生した物件を指すことが多く、近隣住民や周囲の噂によって事故の存在が知られているケースも含まれます。
重要な点は、その事実が買い手にとって「購入をためらう要因」になるかどうかです。
1-2 一般的な不動産との違い
一般的な不動産と事故物件の違いは、心理的瑕疵(かし)の有無です。
見た目や構造に問題がなくとも、過去の事件や事故による心理的抵抗感があると、それだけで価値が下がることも珍しくありません。また、事故の種類によっても差があり、孤独死と他殺では買い手の反応が異なるでしょう。
不動産会社も一般物件よりも積極的に取り扱わないことが多く、売却ルートの選定が難しい点もデメリットといえます。
1-3 事故物件が売れにくい理由
事故物件が売れにくい最大の理由は「買い手の心理的抵抗」です。
どれだけ物件が立地や条件に優れていても、過去の出来事に不安を感じる方が多いと、内見すらされないこともあります。
物件情報に事故の内容が記載されていると、ネガティブな印象を与えてしまい、リフォームや特殊清掃を行ってもネガティブなイメージが拭えない方も多いといえるでしょう。
第2章 事故物件の売却で知っておくべき告知義務
事故物件の売却で、避けて通れない点が「告知義務」です。告知義務とは、売主が買主に対して、物件に関する重要な情報を事前に知らせる義務のことです。
特に、心理的瑕疵のある事故物件では、告知義務を怠るとトラブルや損害賠償のリスクがあるため注意しましょう。
2-1 告知義務の範囲
一般的に、自殺・他殺・事故死など、人の死に関連する出来事は告知義務の対象とされています。特に、発見が遅れた孤独死や事件性の高いケースでは、買主に大きな心理的影響を与えるため告知が必須です。
また、物件内部で起きた死亡事故だけではなく、共用部や敷地内で起きた場合も対象になることもあります。
2-2 事故物件を隠したら告知義務違反になる
事故物件の事実を意図的に隠して売却すると「告知義務違反」に該当し、後に損害賠償請求を受ける恐れがあります。
買主が事実を知っていれば購入しなかったと判断される場合、売買契約の解除や返金請求が発生する可能性が高まるため注意しましょう。
不動産会社も、売主からの情報が正確であることを前提に取引を進めるため、売却後にトラブルを防ぐためには、事実を正直に伝えることが重要です。
2-3 「一度住めば告知不要」は本当?
「事故物件でも、一度誰かが住めば告知義務がなくなる」といった話がありますが、完全に正しいとは言えません。
事故から時間が経ち、住人が変われば心理的影響が薄れるという考えもありますが、事件性の強さや特殊清掃の有無などによっても判断が分かれます。
特に、殺人事件や火災による死亡事故などの場合は、何年経っても告知が必要とされることがあります。トラブルを防ぐためにも、告知をしておくと安心でしょう。
第3章 事故物件の売却方法
事故物件を売却する際は、物件の状態や希望条件に応じて適切な売却方法を選ぶことが重要です。単に「売る」だけではなく、どのルートで、どんな戦略を立てるかによって売却価格やスピードが大きく変わります。
では、事故物件の売却方法を紹介します。それぞれのメリット・デメリットを確認し、自分の目的に合った方法を選びましょう。
3-1 通常の不動産会社で売却する
まず検討すべきは、通常の不動産会社に仲介を依頼する方法です。
売却活動や広告、内見対応などを行ってくれるため、幅広い買い手層にアプローチできる点がメリットです。ただし、事故物件は心理的瑕疵があるため、一般物件よりも販売期間が長くなる傾向があります。
また、担当者が事故物件の取り扱いに慣れていないと、説明不足や価格設定のミスにより売れ残るリスクも考えられるでしょう。不動産会社を選ぶ際は、事故物件の実績がある会社や担当者を重視することが大切です。
誠実に対応してくれる仲介業者を見極めることが、成功のカギとなります。
3-2 事故物件買取専門業者に売る
「できるだけ早く売りたい」「周囲に知られず売却したい」と考えている場合は、事故物件買取専門業者に直接売却を検討しましょう。
事故物件買取専門の業者は、事故物件の取り扱いに特化しており、買い取り後にリフォームや再販を行うビジネスモデルを持っています。そのため、仲介と比べて価格は下がるものの、短期間で現金化できる点がメリットです。
また、広告が不要なケースが多く、近隣に知られる心配もありません。売却スピードを重視する人には最適な方法といえるでしょう。
3-3 不動産オークション・投資家へ売却する
事故物件を資産として捉える投資家や、オークションを利用する方法です。
心理的な部分よりも利回りや立地などの実利を重視するケースが多く、オークション形式では、入札によって希望以上の価格で落札される可能性もあります。
専門の不動産オークションサイトや投資家ネットワークを活用して、通常の販売ルートとは違う層にアプローチすることも検討しましょう。
第4章 事故物件でもなるべく高く売る工夫
「事故物件だし、タダ同然の価格にしないと売れないのでは……」と考えている方も多いかもしれませんが、工夫次第で売却価格を引き上げることは可能です。
ここからは、事故物件でもなるべく高く売るためのポイントを解説します。なるべく多くのポイントを組み合わせて売却を成功させましょう。
4-1 特殊清掃を行う
特殊清掃とは、臭いや菌類の除去、防臭・除菌処理などを専門的に行う作業のことです。
事故物件では、遺体の腐敗臭や体液などが残っているケースがあり、通常の清掃では完全に除去できません。特殊清掃を行って、見た目をきれいにするだけではなく、衛生的にも安全な状態にすることが重要です。
また、清掃証明書を発行してもらえば、買主に対して信頼性を示すことができます。買い手が抱く不安要素を解消することで、交渉を有利に進められるでしょう。
4-2 リフォームやリノベーションを行う
事故が起きた部屋や箇所に手を加えることで、物件の印象をガラリと変えることができます。例えば、壁紙の貼り替えや床の張り替え、照明の交換など、比較的安価な工事でも印象が異なるでしょう。
また、間取りの変更や水回りの一新などのリノベーションを施すと、事故物件であることの印象を和らげる効果が期待できます。
4-3 瑕疵保険・保証制度を活用する
既存住宅売買瑕疵保険とは、売買された物件に欠陥が見つかった場合に保険金が支払われる制度です。構造部分の不具合や設備のトラブルなどが発生した際にも、補償が適用されるため、買主は安心して購入に踏み切れます。
特に事故物件は、心理的な不安に加えて物理的な不具合への懸念も強くなりがちなため、保証制度の存在はアピールポイントになるでしょう。
4-4 記録や履歴を整理・開示する
事故発生後にどのような対応を取ったのか、特殊清掃やリフォームの実施状況などの履歴を記録・開示することで、買主に対して透明性のある説明が可能になります。
売主の誠実な対応は、価格交渉時の信頼につながりやすく、購入の要因となるケースも珍しくありません。後ろめたいことでも、正直に伝えることが大切です。
4-5 ポジティブな面を前面に出す
事故物件であるマイナス面ばかりが目立つと、購入検討の土俵にすら乗らないことも多いでしょう。しかし、心理的瑕疵よりも実用面でのメリットが上回ると判断された場合は、購入に前向きになる可能性があります。
「駅から徒歩5分」「南向きで日当たり良好」「リフォーム済みで快適」など、他の物件と比較して優れているポイントを広告や内見時に伝えましょう。
第5章 事故物件の売却を成功させるためのポイント
事故物件の売却を成功させるには、価格を下げるだけではなく戦術が大切です。事故物件でも納得のいく価格で売却するためには、事前の準備が欠かせません。
では、事故物件の売却を成功させるためのポイントを紹介します。
5-1 専門業者に相談する
事故物件の売却は、一般の物件よりも専門知識が求められます。経験のある業者に相談することで、正確な相場の把握や最適な販売方法を提案してもらえるでしょう。
また、心理的瑕疵に関する法律や告知義務など、トラブルを避けるための助言も受けられる点もメリットです。最近では「訳あり物件専門」の買取業者も増えており、スムーズな取引を実現してくれる可能性もあります。
自分で判断せず、まずは複数の専門家に相談して比較しましょう。
5-2 価格設定を見直す
事故物件は、通常の相場よりも価格を下げて設定することが一般的ですが、下げすぎると損をする可能性があります。
売却価格を決める際は、過去の事故物件の成約事例を参考にし、立地や築年数、事故内容などから総合的に判断することが大切です。
また、価格を段階的に見直す方法も有効です。初期価格をやや高めに設定し、反応を見ながら調整することで、最適な売却タイミングを逃さずに進めることができます。
5-3 税金や制度を確認する
不動産売却は、譲渡所得税や住民税などの税金がかかりますが、事故物件の売却では特例や控除制度が使える場合があります。
例えば、相続した物件を売却する際の「取得費加算の特例」や長期保有による軽減税率などが挙げられます。地方自治体によっては、空き家や事故物件の解体・再利用を支援する補助金制度を設けているため、より有利になるでしょう。
税理士などの専門家に相談し、手元に残る金額を増やすことがポイントです。
5-4 売却前に家族・相続人と相談する
事故物件の売却は、相続人との間で感情的なトラブルが発生するケースが珍しくありません。相続による所有の場合、複数の相続人の同意を得る必要があります。
そのため、事前に家族や共同名義人と話し合い、売却の目的や方法を共有してトラブルを防ぎましょう。相続人の感情面に配慮しつつ、冷静な判断ができるよう、第三者である弁護士の同席を求める方法も有効です。
まとめ:事故物件は「売れない」ではなく売り方次第!
「事故物件だから売れない」と考えている方がほとんどかもしれませんが、事故物件は売り方次第で高く売れる可能性もあります。
重要なポイントは、事故の内容や物件の状況に応じて最適な方法を選ぶことです。特殊清掃やリフォーム、価格設定の工夫などできることを一つずつ積み重ねることで「売れない事故物件」も「売れる物件」に変えることができます。
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