目次
はじめに
相続などをきっかけに、使われていない空き家を所有することになったものの、「古すぎて売れるか分からない」「このまま管理を続けるのは負担が大きい」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
こうした空き家でも、買取によってスムーズに手放せる可能性があります。空き家の買取とは、不動産会社などの業者が物件を直接買い取ってくれる仕組みで、仲介による売却よりも早期の現金化や手間の軽減が期待できる方法です。
本記事では、空き家買取のメリット・デメリットや実際の流れ、少しでも高く売却するためのポイントについてわかりやすく解説します。不要な空き家の処分にお困りの方は、ぜひ最後までお読みください。
1章 空き家買取の5つのメリット
空き家買取のメリットは以下の通りです。
- すぐに現金化できる
- 仲介手数料や解体費用が発生しない
- 契約不適合責任が免責される
- 仲介で売れない物件も買取してもらえる
- 周辺住民に知られずに売却しやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1 すぐに現金化できる
空き家買取では、購入希望者を探す必要がなく、不動産会社が直接買主となります。そのため、売却までの期間が大幅に短縮され、すぐに現金化できるのが大きな特徴です。
物件の状況や契約条件にもよりますが、早ければ買取業者への依頼から引き渡し・決済までを最短3日ほどで終えることも可能です。相続税の納付期限が迫っている場合や、管理負担を早く解消したい場合など、早期の資金化が求められる状況では非常に有効な選択肢と言えるでしょう。
1-2 仲介手数料や解体費用が発生しない
空き家を仲介で売却する場合、物件の成約後に不動産会社へ仲介手数料を支払うのが一般的です。仲介手数料とは、買主を探してくれた不動産会社に対する成功報酬であり、売却価格に応じて数十万円〜百万円程度を支払う必要があります。一方、買取では不動産会社が直接買主となるため、仲介手数料は発生しません。
また、老朽化が進んだ空き家については、仲介による売却では「更地にしてからでないと売れない」と言われることもあります。その場合、売却するよりも先に解体工事が必要です。
これに対し買取では原則、現状での買取が基本であるため、売主が解体費用を負担する必要はありません。解体せずにそのまま買い取ってもらえる点は、費用面だけでなく精神的な負担の軽減にも繋がるでしょう。
1-3 契約不適合責任が免責される
不動産を売却する際、売主には契約不適合責任が発生する場合があります。引き渡した物件に隠れた欠陥や不具合があった場合、契約不適合責任に該当し、一定期間内であれば買主から修理や損害賠償、契約解除を請求される可能性が生じます。
仲介による売却では、たとえ築年数が古い物件であっても、原則として売主の契約不適合責任の問題となります。売却後に「雨漏りがあった」「シロアリ被害が見つかった」などのトラブルが発覚した場合、売主側で対応しなければならないのです。
一方で空き家の買取では、契約不適合責任が免除されるのが一般的です。不動産会社や買取専門業者が現状を理解したうえで購入するという前提があるため、売却後に責任を問われるリスクが少なく、安心して不動産を手放せます。
1-4 仲介で売れない物件も買取してもらえる
仲介による売却は、不動産会社を通じて購入希望者を募り、買主が見つかった時点で契約が成立するという仕組みです。そのため、売却を成功させるには物件の条件と買主のニーズが一致することが前提となります。
しかし、立地や築年数、建物の状態などによっては、買主がなかなか現れず、長期間売れ残ってしまうケースも少なくありません。例えば、室内が荒れていてリフォームが必要な物件、駅から遠くて利便性が悪い物件などは売れ残る傾向にあります。
一方、買取業者の中には、こうした売りにくい物件を積極的に引き取っている会社もあります。自社で解体・再利用したり、建物の状態にかかわらず土地として再開発することを前提に買い取るため、一般市場で需要の少ない空き家でも売れるかもしれません。「こんな物件は誰にも買ってもらえない」と思って放置する前に、買取査定をしてみても良いでしょう。
1-5 周辺住民に知られずに売却しやすい
空き家を買い取りしてもらえれば、周囲に知られることなく手放せる可能性があります。なぜなら、不動産会社が直接物件を買い取るため、外部に情報が出回ることが少ないためです。
一方で仲介による売却では、販売活動の一環としてポータルサイトへの掲載やチラシ配布、内見対応が行われます。その過程で、周辺住民に売却の事実が伝わるかもしれません。また、売却によって空き家と知られることで、不法侵入や放火などの犯罪リスクが高まる可能性もあります。
しかし、周囲に知られにくい買取であれば、犯罪リスクを軽減できます。プライバシーを重視したい方や、防犯面を気にされる方にとって、買取は安心感のある選択肢と言えるでしょう。
2章 空き家買取の3つのデメリット
空き家買取のデメリットは以下の通りです。
- 市場価格よりも低価格で取引されることが多い
- 取引が成立しないケースがある
- 買取業者を選ぶ際に手間がかかる
それぞれ詳しく解説しましょう。
2-1 市場価格よりも低価格で取引されることが多い
空き家の買取における最大のデメリットは、仲介での売却(市場価格)に比べて価格が安くなる傾向があるという点です。
買取の場合、物件を購入した不動産会社は、その後にリフォーム・解体・再販などを行うことを前提としており、将来的なコストやリスクを見込んだ価格での提示となります。そのため、仲介による売却の70〜80%程度が買取価格の目安とされることが一般的です。
また、築年数が古い、立地が悪い、再建築不可などの条件がある場合には、さらに価格が下がる可能性もあります。そのため、「とにかく高く売りたい」「時間がかかっても大丈夫」という方にとっては、買取よりも仲介のほうが適しているケースもあるでしょう。
2-2 取引が成立しないケースがある
空き家買取では、必ずしもすべての物件が買い取られるとは限りません。買取業者は再販や活用の可能性を前提に物件を査定するため、立地や接道状況、再建築の可否などの条件が厳しい物件については、そもそも買取の対象外と判断されることもあります。
また、相続人同士の意見がまとまっておらず、所有権の移転がスムーズにできないケースにおいても、取引が成立しない可能性があるでしょう。買取はスムーズな売却手段として有効ですが、物件の条件次第では利用できない可能性があることも念頭に置いておく必要があります。
2-3 買取業者を選ぶ際に手間がかかる
空き家を適正価格で安全に売却するためには、買取業者選びにある程度の時間と手間がかかります。なぜなら、買取業者によって得意分野や査定基準、対応エリアなどが異なるためです。
同じ空き家であっても、ある業者では取引不可とされる一方で、別の業者では買い取り可能と判断されることもあります。また、査定金額に数十万円以上の差が出るケースもあり、複数社に相談・比較せずに即決すると、知らぬ間に損をしてしまうでしょう。
さらに、残置物の撤去を誰が行うか、契約内容に柔軟性があるか、支払い時期はいつかといった細かな条件も業者によって異なります。このような違いを正確に見極めるには、複数の業者に見積もりを取り、条件や対応を比較検討する手間が避けられません。
3章 空き家買取の流れ
空き家を買取してもらう際には、どのような手順で売却が進むのかを事前に把握しておくことが大切です。以下の流れを理解しておけば、突然の対応に戸惑うことなく、スムーズに手続きを進められるでしょう。
STEP① 買取業者に依頼する
まずは、空き家の買取を行っている不動産会社や専門業者に連絡し、査定を依頼します。電話やインターネットで簡単に申し込みできる業者も多く、1日以内に対応してもらえるケースも少なくありません。なお、可能であれば複数の業者に依頼し、比較できる体制を整えておくと安心です。
STEP② 買取査定を受ける
依頼後、現地調査や物件情報の確認を経て、業者から査定額が提示されます。調査内容や業者の対応状況にもよりますが、数日〜1週間程度で査定結果が出るのが一般的です。築年数や接道状況、再建築の可否などが査定価格に影響するため、必要な資料(登記簿謄本・図面など)を事前に準備しておくと、スムーズに手続きを進められるでしょう。
STEP③ 売買契約を締結する
査定額や条件に納得できれば、業者と売買契約を締結します。この際には、引き渡し日・代金の支払い方法・契約不適合責任の有無など、契約条件の確認を丁寧に行うことが重要です。契約そのものは1日で完了することが多いですが、不明点や懸念点は必ず契約前に解消しておきましょう。
STEP④ 引き渡し・決済を行う
契約書に基づき、物件の鍵や必要書類を引き渡し、代金の支払いを受けます。決済手続きは、その日のうちに完了するケースが大半です。なお、残置物の処分や引き渡し方法については、契約前の取り決めどおりに進める必要があります。
4章 空き家を高値で買い取ってもらうためのポイント
空き家を高値で買い取ってもらうためのポイントは以下の通りです。
- 複数の買取業者に見積もりを取る
- 残置物を撤去する
- 管理状態を良好に保っておく
それぞれ詳しく解説しましょう。
4-1 複数の買取業者に見積もりを取る
空き家を少しでも高く売却したい場合は、複数の買取業者に見積もりを取ることが不可欠です。なぜなら、買取価格は業者によって異なり、同じ物件でも数十万円以上の差が出る可能性があるためです。
買取業者には、それぞれ得意とする地域や物件のタイプがあります。よって、一社の見積もりだけで判断すると、本来得られるはずの利益を逃してしまうかもしれません。査定は無料で受けられる場合が多いため、多少の手間はかかっても、複数社に依頼して比較検討すべきでしょう。
4-2 残置物を撤去する
空き家を少しでも高く売却したい場合は、残置物を事前に撤去しておくことがおすすめです。なぜなら、室内に大量の荷物が残っていると管理状態が悪いと判断され、査定額にマイナスの影響を与える場合があるためです。
また、撤去費用を業者側が負担することになる場合、査定額から差し引かれる可能性があります。残置物の撤去は費用と手間がかかりますが、高額買取を希望する場合は可能な範囲で事前に整理しておきましょう。
4-3 管理状態を良好に保っておく
空き家を少しでも高く売却したい場合は、管理状態をできる限り良好に保っておくことが重要です。なぜなら、長期間放置されていると、建物の劣化が進むだけでなく、買取業者から維持が難しい物件と判断され、査定額が下がる可能性があるためです。
たとえ室内に人が住んでいなくても、定期的に換気・通水を行い、庭木や雑草の手入れをしておくだけで、建物の傷みや周辺環境への悪影響を抑えられます。管理が行き届いていれば物件全体に対する評価が高くなり、高値買取に繋がる可能性があるでしょう。
5章 空き家買取に関するよくあるご質問
空き家の買取に関しては、手続きや条件に不安を感じる方もいるでしょう。ここでは、特に相談が多いご質問に回答します。
5-1 すでに頼んでいる仲介と同時進行できますか?
すでに仲介を頼んでいる場合でも、買取との同時進行は可能です。ただし、契約内容によってはできないケースもあるため、契約書を確認しておきましょう。
5-2 相続登記前でも査定してもらえますか?
登記が完了していなくても、買取業者による査定を受けることは可能です。ただし、実際に売却契約を結ぶには、相続登記を済ませておく必要があります。
5-3 共有名義の場合は買取依頼できますか?
共有名義の物件については、基本的に共有者全員の同意が必要となりますが、業者によっては一部持分のみの買取に対応している場合もあります。共有名義だからといって買取を諦めるのではなく、まずは相談し、対応可能な買取先を探してみましょう。
まとめ:トラブルを回避したいなら空き家は早めの処分がおすすめ
空き家を放置すると、固定資産税や維持費といったコストがかかるだけでなく、老朽化や近隣トラブルの原因にもなりかねません。そうしたリスクを回避する方法の一つが、空き家の買取です。
買取であれば、仲介よりも早く現金化できる可能性が高く、手間や費用を抑えて売却できるというメリットがあります。一方で、市場価格よりも安くなる可能性があるなど、デメリットもあるため、自身の状況に合った判断が重要です。空き家をスムーズに、かつ納得のいく形で手放すためにも、まずは複数の業者に相談し、選択肢を比較することから始めてみましょう。
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